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不慣れな海外生活はわからないことだらけ。シンガポールでの生活においてもそれは同様で、日本とは制度や文化、インフラなど様々な面で違いがあることから、ちょっとしたことでもどう対応すればいいのか困ってしまうことは多いと思います。

そこで、本コラムではシンガポールの不動産・住宅事情や生活事情に精通した現地スタッフが、皆様がシンガポールが生活する上で遭遇しやすい住居にまつわるトラブルや悩み、その対処法について解説します。

エアコンの水漏れが発生しやすいシンガポール

高温多湿なシンガポールの生活において、エアコンは年間を通じて必要不可欠なアイテムあり、エアコン稼働率は日本の4～5倍とも言われています。稼働量が多い分汚れがたまりやすく、カビやバクテリアの繁殖に繋がりやすい環境となっているうえに、比較的口径の細い排水パイプが使用されていることから、シンガポールでは排水の詰まりによる水漏れがよく発生します。

そのため、シンガポールでは住居の賃貸契約において、テナントである居住者自身が3ヵ月に1度の定期的なエアコンのメンテナンスを行うことが求められます。定期メンテナンスの費用は、年間契約の場合1台当たり1回25～35Sドル程度で、基本的にはテナント側が負担することになります。

なお、エアコンを定期的に清掃・点検することで水漏れやその他の不具合を未然に防ぐ代わりに、もし問題が生じた場合はオーナー側が対応するといったギブ・アンド・テイクの関係性が通常ではあるものの、契約書に記載されている内容やお部屋の中のエアコン設置状況によっては、修理費用がテナント側の負担となることもあるので注意が必要です。

水漏れが起きてしまったらどうすればいい？

水漏れの原因の多くは、エアコン内部の汚れによる排水パイプの詰まりなどが挙げられ、その解決方法として業者からはケミカルウォッシュまたはケミカルオーバーホールが提案されるのが一般的です。

では、この費用は一体誰が払うのか？という話になりますが、ここで確認して欲しいのが賃貸契約書です。契約書のエアコンメンテナンスのパートに「gas top up and chemical wash (if required)」と書かれている場合は、必要に応じたケミカルウォッシュなどがテナント負担となります。

壁掛け式エアコンの場合は、1台当たり50～200Sドル（ケミカルウォッシュかオーバーホールかによっても異なる）となり、金額も作業に要する時間もそれほど多くありません。しかし、天井埋め込み式エアコンの場合は、天井を切り取って作業スペースを作り、取り外したパーツの洗浄後、切り取った天井の貼り戻しからペイントの塗り直しまでを行うため、場合によっては費用が1,000Sドル近く、作業に要する時間も1日掛かりということがあります。

住居選びの際、デザイン性の高いコンドミニアムでは、全てのお部屋のエアコンが天井埋め込み式ということもありますので、その場合は万が一のことを考えて、エアコンのメンテナンスをオーナー手配として契約するのが望ましいです。

マナーの悪いエアコン業者の場合、テナントがよく理解していないのをいいことに、過度に清掃実施やパーツ交換を勧めてくるケースもありますので、その場合はオーナー側とも相談した上で（必要な場合は別の業者へセカンドオピニオンを求めるなど）、対応を進めるのが良いでしょう。